左官工事始まる

もう少し寒さが和らいでからだろうと思っていた左官工事が、ついに始まった。職人さんは小田切左官さん。御年77歳の大ベテランだ。年齢を感じさせず、足場をひょいひょい上がって、テキパキと仕事を進めていく。

 

ひろさんが現場に行ってみたら、最初に取りかかった風呂場の下塗りが終わっており、外壁の下塗りが始まっていた。寒くて壁が凍ってしまわないかなーと心配するのだが、天気の具合等を左官屋さんがいろいろ考えて「始めっか!」となったようで、ま、ここはベテランに任せましょう。

 

我が家の壁は、全て漆喰塗りで仕上げることになっている。作業しているところは初めて見るので、興味津々。ちょっとお邪魔してあれこれ質問すると、左官屋さんは、手を動かしながら答えてくれた。

 

下塗りに使っている原料は、栃木県産の漆喰。結合材となるスサや角又(つのまた)が調合された製品のようだ。後でインターネットで調べたら、全て天然素材で調合された製品らしい。これに、白毛(しらが)とよばれる結合材(麻の繊維をほぐしたもの)を追加で練り込み、下地材として使っている。下地はしっかり固めないといけないので、結合材を多めにするようだ。

 

壁を塗る場所を見てみると、柱や梁の残る部分にマスキングテープが施してある。養生する部分が多いので、結構な手間だなぁ。

 

この後、調合した漆喰をコテで塗り付ける。柱や梁で囲まれたひと区画ずつ作業を進めているようだ。塗りが終わると、次は、釘に麻の繊維を結びつけた「トンボ」という補強材を木摺り板に打ち付け、麻の繊維を広げながら下地に塗りつける。下地のひび割れや剥離を防ぐための措置だ。模様が鳥の足みたい。

 

眺めていると、あれよあれよという間に作業が進んでいく。山口棟梁が「木摺りの残りを早く済ませないと追いつかれちゃうなぁ」と冗談を飛ばしていた。小田切さん、丈夫な壁となるよう、よろしくお願いします。